今年の〆の演奏会はコバケンの第九
日本フィルハーモニー交響楽団
第九交響曲 特別演奏会2011
日時:2011年12月22日(木) 開演:19:00 終演:20:53
会場:サントリーホール
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:小林研一郎 (コバケン)
オルガン:長井浩美①②
ソプラノ:岩下晶子
メゾソプラノ:栗林朋子
テノール:錦織健
バリトン:青戸知
合唱:武蔵野合唱団
コンマス:木野雅之
曲目:
①J.S.バッハ/主よ、人の望みの喜びよ
②J.S.バッハ/トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
~休憩~
③ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調「合唱付」 Op.125
今年のトリの演奏会は、やはり第九。
日本では年末恒例行事としてすっかり定着してしまいました。
かくゆう私は、学生時代から毎年第九を聴いていましたが、1988年を最後に中断。仕事に余裕が出てきた2008年に再開し、2010年、今年と連続で聴いています。
前座演奏(オルガン奏者には悪いですが)のオルガンは、低音をよく響かせた素晴らしい演奏でした。
第九演奏後、いつものようにコバケンからスピーチがありましたが、
「こんなことを言ってはどうかと思いますが、いつもの日本フィルらしからぬ渾身の演奏でした」。 というような事を言っていました。
私も同感です。ところどころで破綻はありますが、息のあった渾身の演奏だったと思います。コバケンはよほど嬉しかったのでしょう、ソリスト、合唱団指揮者(女性)とハグしまくっていました。
特に弦(チェロ、コントラバス)の響きが素晴らしかったです。珍しいことです w
彼岸の極致の第3楽章はかなり遅めのテンポ。私的にはあっさりと早めのテンポのほうが彼岸の枯れた感じがすると思いますが・・・
第2楽章のホルンがうねる箇所は存分にうねり、第4楽章の歓喜のメロディーをチェロが奏でるまでの「間」を充分にとっていました。また、トルコ風行進曲の前の vor Gott のフェルマータを充分すぎるほど延ばしていました。延ばしすぎたので最後は合唱が揃わなかったですが、私好みの解釈でした。
ソリストはテノールの青戸がドラマチックに歌っていたのが目立ちました。合唱団もよかったですが、女声比率が高く(3:1)高音部が目立ったのが残念。
やはり特別な年の第九は、演奏するほうも聴く方も感慨深いものがあります。
★へそ曲がりの余計な一言。 シラーの「歓喜に寄す」の詩で嫌いなところ。
シラーの「歓喜に寄す」の精神は「世界中皆仲良く」、これはよいです。
しかし以下のくだり、
Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!
そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい
これはあからさまなマイノリティーの排除でしかありません。
ベートーヴェンこそ周りと軋轢ばかり起こしていたマイノリティーなのに。
第九が権力者によってプロパガンダに使われやすい由縁でもありますが・・・
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