スペインに行く前に
明日(5/8)からスペインに行ってきます。団体ツアーです。
ということで連休中はスペインに関するにわか勉強。
◆ドン・キホーテ
セルバンテス:著
前編1605年出版、後編1615年出版
牛島 信明:編纂, 翻訳
岩波少年文庫 ※図書館で貸借
少年文庫となっていますが、大人でも充分通用します。
ドン・キホーテを全編読むと6巻ありますが、この本は訳者の牛島信明氏が全体のイメージを損なわない程度に話を端折って一冊にまとめたもの。
ドン・キホーテの概要を知りたいのならこの一冊で充分でしょう。全編読んだ方が何人いるでしょうか?
私は風車に突進する物語しか知りませんでしたが、面白い話がたくさんあるんですね。サンチョ・パンサは頭が鈍いだけの単なるノロマかと思っていましたが、なかなかどうして一般常識もあるし真面目な従者でした。
ドン・キホーテは聖書に次ぐベストセラーだそうです。
スペイン人なら皆読んでいる?本作は、スペインに行くなら読んでおかなくては。
「ラ・マンチャの男」も見ておくんだったなあ・・・
◆アルハンブラ物語(上・下)
ワシントン・アーヴィング:著
改訂版:1852年出版
平沼 孝之:翻訳
岩波文庫 ※図書館で貸借
著者のアーヴィング(1783‐1859)は、アメリカ公使館書記官としてスペインに赴き、偶然の幸運からモーロ人の築いた城(アルハンブラ宮殿)に数ヶ月滞在した体験をもとに、アルハンブラでの日々やそこで人々から聞いた伝承などを、スペインのレコンキスタ(再征服)の歴史を絡めながら綴った随筆調の作品。
いやあ、こんなにワクワクし、格調が高く、かつ哀愁を帯びた内容の本には久しぶりに出合えました。一気に読んでしまいました。
・目次を紹介
目次を見ているだけでも興味をそそります。
この本が欧米に紹介されたお陰で、当時廃墟同然(今から考えると信じられませんが、浮浪者などが住み着いていた)だったアルハンブラ宮殿が見直されて修復が行われるきっかけになったそうです。
イスラム建築の最高傑作を今我々が見ることが出来るのは、このアーヴィングとグラナダ征服後にアルハンブラ宮殿を破壊しなかったイサベラ女王のお陰だと言っても過言ではないでしょう。
いやもう一人、無血開城したナスル朝最後のスルタン、ボアヴディルもあげておきましょう。
ちなみにこの作品でも「ドン・キホーテ」が出てきます。
はやく現地を見たくなりました。
◆ガウディの伝言
外尾悦郎:著
光文社新書
これは古典ではなく、2006年に発行された新書です。
サグラダ・ファミリア教会の彫刻家として、二十数年を過ごす著者の語るガウディは心に染み込む言葉に満ちています。現場の彫刻家ならではの視点でガウディの考えを解説してくれています。これは著者のガウディ信仰と言ってもいいかもしれません。
外尾氏は今でもサグラダ・ファミリアでノミを振るっています。
最後に、「ぜひバルセロナに来て下さい。そして、この大聖堂を見てください」「サグラダ・ファミリアで会いましょう」と著者自身からの誘いで〆られています。
もうすぐ見に行きますよ、外尾さん!
「ドン・キホーテ」も「アルハンブラ物語」も、スペインに行こうと思わなければ一生読まなかった本かもしれません。旅は見聞を広めます。
おまけ
◆添乗員ヒミツの参考書―魅惑のスペイン
紅山 雪夫:著
新潮文庫
スペインに行くならお勧めの本です。
一般的な観光案内書には書いていない情報が満載。
帰国までは、「笑える写真」でお茶を濁しますのでよろしくお願いします

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