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2013年5月29日 (水)

アントニオ・ロペス展

渋谷東急文化村ザ・ミュージアムで、アントニオ・ロペス展を観て来た。

※パンフレット(表)

Photo

現代スペイン・リアリズム絵画を代表する画家、彫刻家であるアントニオ・ロペスの日本初の個展。77歳の今も現役で活動中。

スペイン旅行の前に観に行きたかったが、時間がなかったので帰国後になってしまった。

パンフレット(表)の絵は(写真ではない)、彼の代表作「グラン・ビア」。マドリードの目抜き通り「グラン・ビア」を描いたものだが、繁華街の早朝の空気と光を見事に描いている。
アントニオは夏の朝の6時半から20分に限定して制作したという。作品に描かれた左の建物のデジタル時計は、6時30分を示している。
制作年は1974年から81年まで。実に7年もの年月を費やしたのは、気に入った光の射す時間を狙って通い詰めて完成させたためというから驚く。これがリアリズムと言われている所以か。よって寡作。

(注)スペインはイギリスと同じ経度でありながら中央ヨーロッパ標準時を採用しているので、朝の時間が遅い。今頃の日の出時刻は6時40分頃。東京の日の出より2時間以上も遅い。

※パンフレット(裏)

Photo_2

左上の少女の絵(鉛筆画)はアントニオの子の「マリアの肖像」。
右の風景画は「トーレス・ブランカスからのマドリード」<大型作品>(製作年数は9年)。
「グラン・ビア」もそうだが、離れて見ると実に写実的だが、近くで見ると細部は決して緻密に描いているわけではない。

左下は「マルメロの木」。
1992年製作の映画「マルメロの陽光」は、マルメロを描く作家自身の姿を撮った映画なので、ご存知の方もいるかもしれない。私もこの映画のタイトルでマルメロ(カリンに似た木)を知った。

彫刻も手がけており、立体の彫刻と平面の絵画の良さを併せ持つ、木彫り油彩の「眠る女(夢)」(写真なし)が印象に残った。

家族の食事風景を描いた「夕食」(写真なし)は9年の歳月をかけて描いているが未完のまま。
リアリズムといっても「本物のように描く」のではなく、「時間の堆積」を描いているということを実感した。

油彩、素描、彫刻などから代表作約65点が展示され、アントニオの芸術活動の全般を見渡せる絶好の機会。お勧めの美術展です。
6月16日まで。

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